世界的な視点で見た代替医療の浸透具合
現代において、徐々に代替医療という言葉が一般的な用語として認知されるようになってきました。しかし、日本の国内を見ると、代替医療はまだまだ浸透していないように感じられます。では、世界的な視点でみると、代替医療はどのくらい受け入れられているのでしょうか。
もちろん国によって程度の差はあるものの、比較的欧米では代替医療が浸透しているといわれています。実際、欧米ではがん治療で代替医療を選択する人の数が増加傾向にあります。疾患の種類によって違いはあるかと思われますが、世界のがん患者の40%~60%の人々が代替医療を利用しているというデータも出ています。
こうした現状があるため、欧米諸国では代替医療に関する研究が積極的に行われています。同時に、情報の発信や交換なども国を越えて行われています。特にヨーロッパではドイツが代替医療に国家レベルで積極的に取り組んでいるため、鍼治療やハーブ療法などの代替医療が広く活用されています。
国によっては、伝統医学を医療に積極的に取り入れている国もたくさんあります。たとえば、インドのアユルベーディックやヨガ、チベット医学などが挙げられます。また、お隣の中国では、漢方薬や気功、鍼灸を活用した代替医療が古くから行われており、医療としての信頼度も高いです。お国柄、投薬治療や手術に頼らない、古くからの伝統医療が発達していることもあり、結果的に代替医療が受け入れられる形となっているのです。
その一方で、日本において、代替医療の本格的な流れは、まだまだ進んでいません。医療の発展を考えれば、治療の選択肢を増やす代替医療は不可欠な存在といえます。保険診療の適用の問題も関連してくるため、国を挙げて代替医療を推進していく対策を推進する必要があるといえるでしょう。